● 村上賢司さんと能瀬大助さんがドイツで映像作りをするという情報を入手しましたので、村上さんに寄稿して頂きました。否が応でも世界は変化してゆきます。これはそのプラス面で、頑張っていたからこそ巡って来たチャンス――期待しています!


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  ドイツのハノーハァーに
      
映像作りに行ってきま〜す。
                                村上賢司

■ どうも、村上賢司です。
突然ですが今年の5月5日から14日までドイツの、ハノーハァーというところで映像作品を制作することになりました。
こういうことは余り例がないと思いますので、ご報告いたします。

■ ハノーハァーは、ドイツの北側にあるニーダザクセン州の州都で人ロ52万人、見本市(メッセ)の町として世界中 から人々が集まる国際都市です。
18世紀にはイギリス国王も兼ねたハノーハァー王家ゆかりの歴史的な街でもあり、ヘレンハウゼン王宮庭園やマッシュ公園など緑が豊かで、ドイツでは「緑のなかの大都市」と呼ばれています。

■ 今年ドイツで初めての万国博「EXPO2000」が6月1日から10月31日まで開かれて、そのプレイベント的な「CITY ZOOMS」という企画で私が映像作品を作ることになったのです。その「CITY ZOOMS」の主催者はハノーハァー・アップアンドカミング映画祭で、世界の大都市(北京・マニラ・バンコク・ボンベイ・香港・ソウル・リオデジャネイロ・東京・モスクワ・ストックホルム・ニューヨーク・ロンドン)で活躍する若手映像作家・ビデオアーティストの作品を紹介するイベントです。
詳細は下記のとおり――

(1) コンピュレーションプログラム
■ 各都市のキュレーター(東京はイメージフォーラムの
中島 崇さん、山形国際 ドキュメンタリー映画祭東京事務局の藤岡朝子さん)が、それぞれの街で活動する映像作家のさまざまな作品を1本のコンピュレーションテープにまとめる。
ただし、各作品6分以内、制作されてから1年以内であること、全体で45分以内の長さにすること。また、各作家の年齢が17歳から 29歳であることが条件。

■ このテープは企画の開催期間中、ハノーハァー市内のコンテナー・シアター「CinemaTainer」で、連日朝の10時から夜の10時まで繰り返し上映される。

(2) 各都市のビデオクリップ
■ 各都市で、事前に1分間のビデオクリックを制作する。このクリックには、その各都市に暮らす若い人が感じていること、各都市のムードなどを盛り込むことが条件。
東京のビデオクリップは既に
能瀬大助さん(IF 21期・22期生――IFF2000で『日日日常』が入選)が制作している。

(3) ハノーハァーのビデオクリップ
■ 各都市から選ばれた2人の映像作家(東京は私と能瀬さんが、キュレーターの藤岡さんとともに)が5月5日から14日までハノーハァーに滞在する。
この期間中、作家2人で
ハノーハァーの街をイメージした1分のビデオクリップを1本制作する。
8日から11日までの4日間で、撮影から編集までをこの街で行う。デジタルビデオカメラと編集機材は現地提供。

(4) イベントのお披露目会
5月11日に、ハノーハァー市内の「Kestner Gesellschaft」という芸術ホールでお披露目上映会が行われる。
各都市のコンピュレーションテープ、各都市のクリップ、来独作家が作ったクリップのそれぞれが上映される。またこれらの作品は17日まで市内のコンテナ・シアターでも上映。

以上ですが、詳しくは「CITY ZOOMS」のHPへ  http://www.cityzooms.de


◆ 現在の時点では、どんなことになるかよくわかりませんが、私は国際交流を、特にアジアの作家達とのコミュニケーションを多く取りたいと思っております。ただ、そのために必要な英語力が皆無のため、何も出来ずに独りでソーセージをかじるだけで終わってしまうかもしれません……が、ともかく頑張ります!

◆ 能瀬さんとの共同制作も今からワクワクしています。残念ながら今まで彼の作品を1度も観たことがないのですが、たくさんの人から作家的資質が私と正反対だと指摘されています。イイ感じに化学反応したらトンデモない作品が生まれるかもしれません!
ともかくハノーハァーを全身で感じて楽しみたいと思っております。

〜帰国後、映画祭のことなどをこの場を借りてご報告致しますので、よろしく!〜


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ドイツのハノーハァーに
    映像作りに行って来ました!
                                              
                                                        村上賢司
どうも村上賢司です。

私と能瀬大助君の二人は、5月5日から16日までの間、ドイツのハノーハァーに滞在し
てClTY ZOOMSという企画で映像作品を作ってきました。

一緒に行くはずだった山形国際ドキュメンタリー映画祭の倉岡さんが、突然日本を離れる
ことができなくなり(東京からの)私たちだけがキュレーターがいない状態となります。
しかも二人とも英会話には不安があるため、最初はどうなるかと思いましたが、結果的に
は映像作りの方法論は万国共通で、いろいろと問題はありましたが何とか作品を仕上げる
ができました。

それに、他の都市からの作家やキュレーターは、全員英会話が堪能だったためか、主催者
側も何となく私たちに対して特別優しかったような気がします。
ただ、せっかく他国の同世代の映像作家達がたくさん集まったのに、最後まで小学生レベ
ルの会話しかできなかったことは、とても残念なことでありました。
もっと突っ込んだ話――例えぱ、それぞれの国の自主映像作家の、生活の糧はどんなもの
なのかをすごく知りたかったのでしたが……。

ハノーハァーに到着した日は、合計10日間寝泊まりしたホテルにある主催者側の事務局
で(他の都市の作家やキュレーターと一緒に)これからの予定などを聞き、その後は能瀬
君とイタリア料理屋でビールを飲みながら、どんな作品を作るかを打合せます。
そして、空港に向かう電車の中で話し合った「日本人の観光客」をテーマにすることに決
まりました。
実は私、この日まで能瀬君とはあまり交流がなく、彼のことを「のほほんとした好青年」
としか認識していませんでしたが、映像作家としてすごくシャープな感性を持っているこ
とに気付き、これからが楽しみになってきました。
二日目は、ハノーハァーのロケハンということで、午前中は建築中のEXPO2000の
会場を見学し、午後は三時問のサイクリングツアーに参加します。
最初は気持ちいい景色を楽しみながらのサイクリングでしたが、いつしか気温は30度を
超え、その上に日曜日だったのでほとんどの店が閉まっており、しかも自販機がどうして
も見当たらず、体ばへトヘト、ノドばカラカラで、目が回りそうになりました。
こんなことを平気でこなしてしまうゲルマン人の強さだけを実感します。
1分間のクリップを撮影中の筆者 編集中の能瀬大助君
三日目は早速撮影となり、能瀬君とハノーハァーの街中を自転車で乗り回し、「日本人の
観光客」というコンセプトで撮りまくり、夜になってBGMが無いことに気づいて私がマ
イクに向かってアカペラで歌う――多忙な一日となりました。
四日目は、前日とうってかわって何もない一日。
実は今回の企画では、撮影、編集機材などすべて主催者側が用意するはずでしたが、到着
してすぐに、なぜか私が持ってきたDVカメラで撮影してほしいと言われ、この日は私た
ちが撮影した素材を、NTSC方式から、PAL方式に変換するだけの日となりました。

昼問、プラプラと買い物をした後、ゆっくり昼寝をして、夜になってオペラ座の前で能瀬
君と夕涼みをしていたら、突然、夜空に流れ星が現れて、それがすごくきれいで思わず感
動してしまいます。

五日目になって、当初プレミアでノンリニア編集できるはずだったのが、急遽どうしても
リニア編集をしてほしいと主催者側から言われ、私にはチンプンカンプンの編集機材でし
たが、幸いにも能瀬君が何回か使用したことのあるものだったので、なんとか一分のクリ
ップを完成させます。
編集中も(当然、撮影中も)いつもの能瀬君とは違うシャープな一面を感じることが出来
て、「コイッやるな〜〜」と何度も唸ってしまいました。

六日目は、各都市の作家達がハノーハァーで制作した(一分間の)クリップがまとめられ、
街の美術館のホールで上映されました。
私達のクリップは、アルファベット順なので最後になったためひどく緊張しましたが、お
客さんには大いにウケてホッと胸をなでおろします。
その後、日が落ちてからコンテナシアターのオープニングセレモニーがあり、なぜか余興
が前衛音楽とファイヤーショーのジョイントで、会場の広場に集まった人々の影が伸びた
り縮んだりしている様子を眺めていたら、だんだん子供の頃の夏祭りの記憶が蘇ってきて、
不覚にも少し泣いてしまいました……まさにホームシック状態だったと言う訳です。
そして、七日目から十日目の四日間は、昼はコンテナシアターで上映されている各部市のビ
デオ作品を観、夜は他国の作家たちと飲みに行って交流をはかる日々でした。
CityZoomsのステッカー 東京のコンテナ・シアター(10人ぐらい入れます)
以上、ハノハァーでの日々をご報告させていただきましたが、なんとなくダラダラと過ごし
てしまったような気もして、今頃になって反省しています。
しかし映像作りを続けていると、少しだけビンボーにはなりますが、人生の可能性が広がっ
て、贅沢な人生を過ごすことができるなと、改めて実感する旅でした。
ハノーハァーから帰国した私は、すぐに九月発売予定のホラービデオの制作に追われること
になりました――初の商業作品です。
女優のオーディションを終え、現在スタッフが10人以上もいる現場で監督をしています。
映像作りにもいろいろとバリエーションがあり、これからも様々な形の作品を作ってゆこう
と考えていますので、よろしくお願いします。 
ちなみに私と能瀬君が制作した作品の題名は『日本の心』――何時か日本でも公開される
かもしれませんが、気楽な感じで観て欲しい作品です。  
村上賢司プロフィール
1970年群馬県高崎市に生まれる。IF付属映像研究所15期、16期生。
最新劇場公開作『夏に生まれる』はバンクーバー国際映画祭、東京国際映画祭、
ロッテルダム国際映画祭などで招待上映されている。
現在、次の劇場公開作を準備中――。
また、ホームページ作りにも挑戦中――。


bP ハノーハァーへの出発報告

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